本を売ろうとしたら「え、これだけ……?」って値段で買い取られる時ってありますよね。
めっちゃ流行ったのに!すんごく面白いのに!定価だとけっこう高いのに!お気に入りだったのに!思い出や知識がいっぱい詰まった本を中古書店に売ったこと、誰にでもありますよね。大掃除とか引っ越しとかは特に。そしてショックを受けるのです、「たったこれだけの値段」で買い取られてしまうことに。
実はちょうど4年前、私は某本買い取り大手「ブック○フ」にてバイトをしておりました。
4年も経てば買い取り方法や評価基準などが変わっている可能性があるのですが、この経験を活かして皆様にお伝えしたいことがあります。
「ちょっと気を遣うだけで、ちょっとくらいは買い取り価格を上げられるよ」ってこと。
仕組みを知れば価格を上げられるし、提示された価格に納得できます。ということで、買い取り価格を上げるポイントを5つにまとめました。ぜひ参考にしてみてくださいね。
1.買い取りの際に店が気にするのは、第一に「本の状態」です
『ONE PIECE』や『ドラゴンボール』などの圧倒的需要が見込まれるものを除けば、基本的には本の「状態」で値段をつけます。どんなに面白い内容の本でも、色褪せていたり破れていたり、書き込みがあったりシミや濡れ跡があったりすれば、価値は下がるのです。 その本の「定価」というのは、買い取って店の棚に並べる時に基準となる価格です。買い取りの際は基本的にはあまり関係がありません。
本当に基礎的なことですが、まずは本をキレイな状態に保つこと。
ちなみに、買い取りの際に「キレイに保ってるよ!」とアピールができるのが、本を買ったときにつけてもらえる紙のブックカバーです。 正直言うと、そのまま持って来られると剥がすのがちょっと面倒なのですが(笑)、つけているのであればわざわざ剥がす必要はありません。 もし本にホコリが被っていたら、軽く拭いてから売ることをおすすめします。本の表紙にホコリがあるだけで「あ、コレ状態悪いわ」ってなっちゃうので。
2.もちろん、「内容」で価格が上がることもあります
先にも述べた通り、例えば少年漫画の作品だと『ONE PIECE』や『ドラゴンボール』、それに『ジョジョの奇妙な冒険』や『HUNTER×HUNTER』など。
日本の作家の文庫本だと司馬遼太郎や伊坂幸太郎、東野圭吾や村上春樹の作品など。青年漫画でいえば、あずまきよひこや中村光、井上雄彦(特に『SLAM DUNK』)や浅野いにおの作品など。
つまり、「ほぼ100%売れる」と思われる最近の人気作家(特に、漫画であれば20代から30代のお客様に需要がある)のものは、高く買い取られる可能性が高いです。もちろん状態は見るのですが、作品や作家により甘く評価する場合があります。
3.「流行」が来てからではちょっと遅い
あらゆる漫画や小説が映画化・アニメ化・ドラマ化される時代です。
例えば、その作品の映画化が決まり、CMが流れ、全国で公開されて、世間から評価された後に「売ろうかな」では、ちょっと遅いのです。なぜなら、その時点で既に売りに来ているお客様がたくさんいるから。ブック○フ的にはもう「またコレか」状態です。
在庫はあればあるほど価値は下がるので、買い取り評価は厳しくなります。なので、早め早め(店員がどれだけ情報をゲットしているかにもよりますが)が吉。もし気になるのであればそのお店の棚を確認してみることをおすすめします。既に自分が売りたい本がいっぱいあれば、別のお店にしたほうがいいかも。当然、めんどくさいんですけどね。これが。
4.避けるべき時期、売るべき時期
本を売るときに最も避けるべき時期が「年末年始」と「年度末年度明け」です。
理由は簡単、大掃除と新生活で家を掃除・整頓する方が大変多いからです。 押し入れの中に埋もれていた本の数々を大量に持ち込む方がたくさんいらっしゃいます。お店も大忙しの時期、当然在庫が大幅に増えるので買い取り基準が少し厳しくなります。
そしてポイントなのが「赤本」。2月3月は受験を終わらせた受験生たちが売りにやってきます。 しかし赤本の需要ハイシーズンは夏! ちょっと我慢すれば、評価が甘くなること間違いなし。特に私立難関大と呼ばれるカテゴリーは人気があります。ちなみに、書き込みは絶対ダメですよ。
5.どうしても安く買い取られてしまう本
私が働いていた当時は、少女漫画は少年漫画より安く買い取られていました。同人誌やBL本、流行の過ぎたもの、古い作品はどうしても安くなります。 また、月刊誌などの雑誌類は、売れ行きが悪く情報が一過性のものなので、高く買い取られることはまずありません。
基本的に「プレミアもの」を評価する体制が整えられていないのです。
プレミアもので、「ファンなら絶対欲しいと思う!」というものをいくつも見てきましたが、だからといってプレミア価値を買い取り価格に乗せることはありませんでした。なぜなら、マニュアル化できる価格基準がないからです。 「プレミアもの」を売る際は、中古書店に持って行くよりもネットオークションなどを使った方がよいと思います。
先にもいいましたが、「そのお店にたくさん在庫があるもの」は評価基準ががぐっと下がります。 特にビジネス書・新書・ベストセラーは、みんなが読んでみんなが飽きて手放してしまうもの。せめてキレイな状態を保っていれば、価格アップの希望はあると思いますが……。